044
WEB予約
LINE予約
緑内障は、40歳を過ぎると発症率があがる目の病気のひとつです。
誰にでもなる可能性があり珍しい病気ではないですが、悪化してしまうと将来失明につながることもあります。
この記事では、緑内障がどういう病気か、どのような症状なのか、緑内障が悪化する生活習慣など、気になることを詳しく解説していきます。
緑内障について知りたい方、悪化してしまう生活習慣を改善したい方は、ぜひ参考にしてください。
緑内障とは？
緑内障とは、何らかの原因により目の奥の視神経が障害を起こし、視野が欠ける、狭くなるなどの症状が出る病気です。
初期は自覚がないことも多く、気づいたときには進行してしまっているケースもあり、長く放置していると失明（視覚障害）につながる可能性もあります。
ここでは、緑内障がどのような病気なのかを詳しく解説します。
緑内障の仕組み（機序）
見るというのは、眼球にある網膜に映し出された映像の情報が、目の奥にある視神経を通って脳に伝わり映像として認識します。
映像を伝える視神経は、健康な人だと約100万本が束になっていて、それぞれが映像のどの部分を脳に届けるかが決まっています。
緑内障になると障害を受けて視神経が少しずつ減り、減った視神経が担っていた部分の映像が上手く伝わらなくなってしまい、見えづらくなったり、視界が欠けたりするのが緑内障の仕組みです。
緑内障になる原因
緑内障になる原因は、これというものはまだ判明していません。
高齢になるほど発症するケースが増えることから、加齢による要因もあると考えられています。
40代以降になると緑内障を発症することが増え、視野が欠けていると自覚する頃には緑内障がかなり進行してしまっていることも珍しくありません。
また、眼圧の上昇も要因のひとつではありますが、眼圧が高くなくても緑内障を発症するケースも多くあり、はっきりとした原因とは言い切れないのが現状です。
眼圧は正常は10〜20mmHgのため、この範囲を超える眼圧が続く場合は緑内障のリスクが上がる可能性があります。
緑内障の危険因子になり得る要因としては、加齢と眼圧の他に以下のようなものがあげられます。
- 遺伝
- 高血圧
- 糖尿病
- 強い近視
- 偏頭痛
- 外傷の影響
- 他の病気治療で服用している薬の影響 など
一方で、血圧が低すぎるのも視神経への血流を滞らせてしまい、悪影響を及ぼす可能性があるため、低血圧や急激な血圧の下げすぎにも注意が必要です。
緑内障は健康診断や人間ドックなどでは見逃してしまうケースもあるため、心配な要素がある方は1度眼科で検査をして、緑内障の兆候が現れていないか医師の診断を受けるのをおすすめします。
緑内障の主な症状
緑内障の主な症状は、視界が欠ける、視野が狭くなるなど、正常なときとは見え方が変わります。
初期はほとんど自覚症状がなく、症状が出てきて眼科を受診したときには緑内障はかなり進行してしまっているケースが多いです。
片目だけが緑内障になった場合、もう片方の目の見え方を補正して通常通りに見えていることもあり、症状の自覚が遅れる方もいるため、注意が必要です。
また、見え方に変化がなく自覚がなくても緑内障になっているケースもあり、発見が遅れると視界の大部分が見えなくなるまで緑内障が進行してしまうこともあります。
緑内障は日本における視覚障害の原因第1位となっているほどに発症しやすく、進行しやすい病気です。（参照：岡山大学）
40代からの発症が増えますが、定期検査を受けて早期発見ができれば、失明に至るまで緑内障が進行してしまう可能性を減らすことにつながります。
緑内障の治療
緑内障が発見された場合、上がってしまった眼圧を下げて視神経のダメージを減らし、視神経が今以上に減るのを防ぐ治療をします。
緑内障の進行によりダメージを負ってしまった視神経は、再生することができません。
緑内障の治療は、視神経を治すのではなく、今見えている視界を維持してできる限り病気の進行を遅らせる目的です。
眼圧が正常範囲内（10〜20mmHg）だとしても、眼圧を下げることで進行を防ぐ効果が期待できます。
治療には点眼薬や飲み薬、レーザー治療や手術という方法があり、進行度や眼圧により選択されます。
緑内障には種類がある？
緑内障には大きく分けて2つの種類があり、一般的に緑内障と呼ばれる病気の多くは原発緑内障に分類され、他に続発緑内障という種類があります。
また、先天性の小児緑内障という、生まれつき隅角が未発達だったり異常があったりして発症する、原発緑内障や続発緑内障に含まれない種類の緑内障もあります。
原発緑内障
原発緑内障とは、緑内障の過半数を占める病気で、さらに原発開放隅角緑内障と原発閉塞隅角緑内障に分けられます。
原発開放隅角緑内障
眼球にある隅角という、水分の流れの出口にあるフィルターの役割を担う部位の先が詰まり、排出がうまくいかずに滞ってしまい、眼圧が上昇してしまう状態を原発開放隅角緑内障と呼びます。
眼球は房水という水分で満たされていて、張りを保ったり、球形を保ったりする役割を担っています。
房水は眼圧を調整していて、循環することにより眼圧が一定に保たれる仕組みです。
また、眼圧が正常の範囲内でも視神経がダメージを受けている状態を正常眼圧緑内障と呼び、原発開放隅角緑内障の一種です。
日本では、正常眼圧緑内障が多くみられる傾向があります。
原発閉塞隅角緑内障
原発閉塞隅角緑内障とは、房水の出口である隅角が狭くなって閉じることにより房水の排出ができなくなり、眼圧の上昇につながる状態です。
慢性の場合はゆっくり症状が進行しますが、急性の場合は急激に眼圧が上がって視野が狭くなることがあります。
急性の原発閉塞隅角緑内障を発症すると、激しい頭痛や目の痛み、充血、吐き気などが起こり、早いケースだと一晩から数日で視力を失ってしまう可能性があります。
緊急で処置が必要なため、すぐに眼科を受診してください。
続発緑内障
続発緑内障とは、病気や外傷、ステロイド剤の長期服用による副作用などで眼圧が上昇してしまい、発症する緑内障です。
目の病気で手術した後や網膜剥離、糖尿病、脳疾患などの病気による眼圧上昇も含まれます。
また、外傷により隅角が損傷して眼圧が上がって緑内障になるケースもあります。
緑内障が発症・悪化しやすい生活習慣
遺伝や体質、加齢による緑内障の発症以外に、緑内障が発症・悪化しやすい生活習慣があったというケースも考えられます。
眼圧が上がりやすかったり、目に負担がかかってしまったりする習慣です。
ここでは、緑内障の発症や悪化がしやすくなってしまう生活習慣について詳しく解説していきます。
下を向いている時間が長い
パソコンやスマホなどを見たりして、下を向いている時間が長くなると、目や脳への血流が悪くなって眼圧が上がりやすくなります。
長時間の下を向く作業は避けて、こまめに休憩を挟み上を向く、首や目の周りをマッサージするなどして眼圧が上がりすぎないように注意しましょう。
パソコン作業・スマホ・ゲームなどを長時間行う
電子機器の画面を長い時間見続けると、目に負担がかかり眼精疲労になりやすくなってしまいます。
緑内障の直接の原因とは言い切れませんが、目が疲れてしまう行為は眼圧の上昇にもつながるため、長時間のパソコン作業やスマホ、ゲームの画面を見続けるのは避けましょう。
適度に休憩をして遠くを見るようにする、まぶたを閉じて目を休ませるなどの対策をしてください。
うつぶせ寝・高い枕など眼圧の上がりやすい睡眠をしている
うつぶせの姿勢で寝ていたり、高い枕を使用していたりして寝ていると、睡眠中に眼圧が上がりやすくなってしまいます。
うつぶせだと眼球が圧迫されてしまい、眼圧の上昇につながる可能性があるでしょう。
横向きも同様に、下になっている方の目に負担がかかりやすいため、仰向けに寝るのがおすすめです。
また、体形に合わない高い枕を使用していると、仰向けでも顎を引いた体勢になり、首からの血流が滞り目や脳への血液が届きにくくなって、眼圧が上がりやすくなります。
寝る姿勢を改善すると、睡眠の質が向上することにもなるため、睡眠中の体勢にも気を付けましょう。
喫煙習慣がある
喫煙が緑内障になる原因とは言えませんが、喫煙により緑内障の症状が悪化してしまう可能性があります。
タバコを吸うとニコチンや一酸化炭素に影響を受けて、全身の血行が悪くなります。
血中酸素濃度も低下し、視神経や眼内に必要な血流や栄養が確保できなくなる可能性も高まるでしょう。
喫煙が血管に及ぼす影響は多く、緑内障にとっても悪化する要因となり得ます。
ストレスが多い
ストレスと緑内障の関係性は、はっきり解明されてはいません。
しかし、ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、血流が悪くなって視神経への影響が出てくる可能性があります。
また、ストレスが多く睡眠不足が続くと眼圧が上がってしまうこともあり、緑内障のリスクが高まります。
適度な運動をしたり、自分なりのストレス解消方法を見つけたりして、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
いびきが大きい
いびき自体は緑内障の原因ではありませんが、いびきが大きい方は睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるため、注意してください。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる病気で、いびきが大きくなる特徴があります。
いびきが大きいのは自身で気づきにくいですが、家族に指摘された場合は病気を疑ってもいいかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群になると、夜中に呼吸が止まっている瞬間に血流が悪くなり、視神経や脳への血液が不足してしまう可能性があります。
また、血液中の酸素も不足することになり、必要な酸素が行き渡らなくなって目にも負担がかかりやすくなるのです。
高血圧・低血圧
極端な高血圧、低血圧が続いていると、緑内障のリスクが高まる要因になる可能性があります。
高血圧の場合、目への血流に圧力がかかり、視神経に負担がかかりがちです。
視神経がダメージを受け続けると、緑内障の発症や悪化のリスクになってしまうかもしれません。
また、高血圧が進行して動脈硬化になると血管が硬くなる、狭くなるなどの症状が出てきて、眼球への血流に影響し、必要な酸素供給が視神経に行き渡らなくなることもあります。
低血圧の場合は、目への血流が不十分になり、視神経への血液供給や酸素供給が滞る可能性があります。
極端な高血圧・低血圧や、急激に血圧が上下するなどして、血管に負担がかかった状態になると、緑内障だけでなく病気のリスクが高まるのです。
血圧の管理は全身の健康にも関わるため、適切な治療や生活習慣の見直しをして、血圧の管理をしていきましょう。
糖尿病などを放置している
糖尿病の合併症として、糖尿病網膜症という病気があり、糖尿病網膜症が進行すると新生血管緑内障という種類の緑内障になる可能性があります。
糖尿病網膜症とは、高血糖が続き血管が硬くなったり狭くなったりして、血流が減少して眼底の網膜の血管が傷み、毛細血管が閉塞して酸素や栄養が不足すると、新生血管という新しい血管ができます。
新生血管は脆く、出血を繰り返すことで視力の低下につながるのです。
この新生血管は房水の隅角にもできるため、房水の排出がうまくできなくなり、眼圧が上昇してしまう状態を、新生血管緑内障と呼びます。
糖尿病は早期に治療を受けて、適切な血糖値コントロールや定期的な糖尿病眼科検診など、合併症を防ぐ対策をしていれば、普通に生活できる可能性が高まる病気です。
治療をしなかったり、食生活の見直しをしなかったり、糖尿病を放置して高血糖のまま長期間過ごした場合は、糖尿病網膜症から新生血管緑内障になるリスクがあることを覚えておきましょう。
まとめ
緑内障は、誰にでもなる可能性のある病気です。
高齢になるほど発症の確率は上がりますが、若い人でもリスクがないわけではありません。
眼圧が上昇しやすい習慣を見直したり、発症の要因になるかもしれない病気の治療をしたりして、緑内障の発症リスクを少しでも下げられるように意識しましょう。
また、緑内障になっても、適切な治療をして病気が進行しないように心がけていれば、失明に至るリスクを回避することにつながります。
緑内障を早期発見できるように、40代からは定期的に眼科で検査を受けて、目の健康を保ってください。
こにし・もりざね眼科は、人と人とのつながりを大切に、子どもから大人まで幅広い地域のかかりつけ眼科を目指しております。
緑内障の早期発見、早期治療開始にも力を入れていて、検診にも対応いたします。
健康診断で緑内障の疑いがあると結果が出た方や、他の症状で受診して緑内障の検査も受けたい方など、緑内障について気になることがあれば、お気軽にこにし・もりざね眼科へご相談ください。
